弁護士は様々な依頼に基づいて遺言書作成のお手伝いをしています。
たとえば,
①生活に困っている相続人に居住用不動産や生活費を残したいという依頼,
②親として子に行った援助に格差がある場合に,遺言でその埋め合わせをしたいという依頼,
③一家の跡継ぎとなる相続人により多くの財産を残したいという依頼などです。
遺言をする方には,原則として自らの財産を自由に処分する権利があります。そのため,遺言によって,ある一人の相続人により多くの財産を相続させることが可能です。
しかし,遺言によって相続できる財産を減らされてしまう相続人の立場に立てば,生活を脅かされたり,潜在的な持分に対する期待が裏切れたりすることになります。これに歯止めをかける制度として,相続財産の一定割合を一定の相続人に留保する「遺留分」制度が設けられています。
このように,相続人の方で遺言内容に納得ができなければ,将来的に相続人間で争いが起きる可能性があります。そこで,依頼を受けた弁護士は,遺言書作成に当たって,相続人関係図や財産目録を作成して,遺留分権利者の遺留分を侵害することにならないかをチェックします。
その結果,遺言内容が明らかに遺留分権利者の方の遺留分を侵害することになれば,依頼者の方に改めて遺留分制度の説明を行い,遺留分を侵害しない内容の遺言を作成してはどうかと提案します。
それでもなお,遺留分を侵害する内容の遺言書を作成することが必要な場合には,そのような遺言をするに至った経緯や,遺留分権利者の方に遺留分減殺請求権を行使しないように求める付言事項を記載します。
これにより,相続人の方が依頼者の方の思いを汲み取り,遺言内容にご納得いただくことを目指します。どうしても納得が得られそうにない場合には,あらかじめ遺留分減殺請求の対象となる財産に順位付けをして,将来の紛争が複雑化しないように工夫をします。
遺言書作成の際には,将来的な紛争が発生する可能性をチェックして,これを防止する手立てを講じる必要があります。ぜひ一度弁護士にご相談ください。
名古屋丸の内本部事務所 弁護士 横井 優太
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名古屋丸の内本部事務所弁護士 横井 優太
相続紛争の典型例は,十分な遺産があり,これを複数の相続人がどのように分けるかについて争うというものです。しかし,当然のことながら,被相続人の債務も相続の対象になりますので,債務が相続においていかに扱われるかを把握したうえで遺産分割等の手続に臨む必要があります。
被相続人の借金(金銭債務)について
金銭債務は,原則として法定相続分に従って当然に分割されます。そのため,遺産分割協議で「○○が全ての債務を相続する」と定めたとしても,債権者には対抗できません。
各相続人が,法定相続分に応じた金銭の支払いを請求されることになります。このような負担を免れる方法として,限定承認と相続放棄が考えられます。限定承認手続は,相続した債務を支払う責任を,相続した積極財産の範囲に限定する手続であり,相続財産の中にどうしても手放したくない財産がある場合に有効です。
ただ,相続人全員が合意しなければ利用できないうえに,相続財産管理人の選任が必要になる場合があり手間がかかりますので,実際に利用されるケースは少ないようです。
相続放棄は,相続人が個別に利用でき,代襲相続も生じないためシンプルな方法と言えますが,被相続人の方が亡くなったことを知った時から原則として3ヶ月以内に手続する必要がありますし,債務だけでなく積極財産も一切相続できなくなります。
ただ,相続債務の処理を悩む前に,そもそも遺産として,何が,どれだけ,どこにあるのかを正確に把握することが肝要です。このような遺産の調査も含め,相続人としてどう行動するべきか不安に思われた際は,お気軽にご相談頂ければと思います。
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名古屋丸の内本部事務所 弁護士 米山健太
名古屋丸の内本部事務所弁護士 米山 健太
亡くなった方(民法では「被相続人」と呼ばれます)が生命保険契約を締結していた場合,相続,遺産分割の際に,生命保険に関する法律関係がどのように扱われるかご存知でしょうか。
生命保険は,保険契約者が,保険者(保険会社等のことです)に対して一定の保険料を支払い,被保険者の死亡を保険事故として,保険事故が発生した場合に保険者が保険金受取人に一定の保険金を支払う契約です。
まず,相続人(亡くなった方の配偶者,子等です)の一人を保険金受取人と指定されていた場合,保険金請求権は保険契約の効力発生と同時(すなわち,被相続人が死亡したとき)に保険金受取人の固有財産となり,遺産分割の対象にはなりません。
したがって,保険金は受取人に指定された相続人一人が全て取得し,別途,相続財産について遺産分割をすることになります。 保険金受取人を単に「相続人」とのみ指定した場合,保険金請求権は,相続人全員の固有財産となり,この場合も遺産分割の対象にはなりません。
それでは,この場合,各相続人はどのような割合で保険金を受け取ることができるのでしょうか。実は,判例上,相続人である各保険金受取人は,「法定相続分」という民法に定められた割合にしたがって保険金請求権を取得するとされています。 以上のように,生命保険は,保険契約に基づく法律関係として相続,遺産分割とは別個に法律関係が決定されるので,遺言書作成を検討される方は注意が必要ですし,残された相続人としても保険会社に対する手続等,遺産分割とは別個に対応が必要になります。
当事務所では,保険法,保険約款に関する法律事務も多数取り扱っています。遺言書作成,遺産分割等の相続に関する手続の際は,生命保険のように,関連する法律関係の処理も含めて,幅広くサポートさせていただきます。 是非一度ご相談ください。
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近年、相続問題の法律相談は増加しており、私も遺言書の作成や、遺産分割等を担当しています。相続の相談が増えている背景としては、単純に高齢化が進んで高齢者の人口が増加したというだけではなく、弁護士に頼んだ方が、解決が早いということもあると思います。というのも、相続問題の特徴として、当事者間に感情面での対立が生じることが多く、その場合は当事者同士での解決が困難になるからです。 また、後々相続人間で争いが生じないようにするためには、ご本人の意思を反映した遺言書を残しておくということも有用です。当事務所では、無料相談を実施しています。後々子どもたちが揉めないように遺言書を作成したい、相続人間では遺産分割の話し合いが難しいなど、相続に関する問題に悩んでおられる方は、お気軽にご相談下さい。
名古屋丸の内本部事務所 弁護士 中内 良枝
名古屋丸の内本部事務所 弁護士 中内 良枝
少しずつ寒さが和らいで来ましたね。春はもうすぐというところです。
以前から多数扱わせていただいておりますが、最近、特に扱うことが増えている相続について、書かせていただきます。
近年は、依然と比べて、遺言を作成する方が増えてきているという印象ですが、まだまだ、遺言を作成していない方は多いです。
また、遺言を作成していても、無効であることも多いというのが実情です(自筆証書遺言等は要件が厳格なので注意が必要です。)。
生前、被相続人は、このような希望を持っていたと主張したところで、相手方がそれに同意をしてくれ無ければ、その通りにはなりません。
また、希望を持っていることは、手紙等から明らかであるのに、遺言として無効であるばかりに、被相続人の意思通りの遺産分割が行われないことも多々あります。
亡くなってしまってからは、自分の意思を示すことはできませんので、是非、遺言を作成することをおすすめします。
自分が努力をして形成してきた財産を、どのように相続人らに取得してもらいたいかを決めるのは遺言で無けれは゛できません。
亡くなるのは遠いことと思いがちですが、いつ、何が起こるかは分かりません。
遺言を作成して、自分の意思を示しておきましょう。
遺言は、一度作成しても、変更することは可能ですので、現時点での思いを遺言という形にしておきましょう。
作成しても、遺言が無効となってしまっては意味が無いので、遺言の作成は、弁護士に依頼しましょう。
遺言の作成をお考えの場合は、ご相談下さい。
日進赤池事務所弁護士 水野 憲幸