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過去の記事

 「家族信託」という言葉をお聞きになったことはあるでしょうか。
 ​最近メディアでも家族信託が取り上げられるようになったこともあり、メディアで情報を得た方が相談に来られることもあります。
 ​もっとも、まだ世間一般に浸透しているとはいえず、弁護士の中でも家族信託を扱った経験のある弁護士は多くないものと思います。
 ​家族信託が使える場面の例としては、①将来認知症などにより財産管理ができなくなってしまった時に備えて、元気なうちに家族等に自分の財産の管理ができる権限を与えておき、将来認知症などにより判断能力を喪失した後に、自分の意向に沿った財産管理をスムーズに実行できるようにしておくといった場面が想定されます。
 ​ 認知症などにより判断能力を喪失した場合に利用できるものとして成年後見制度という制度もあるのですが、裁判所の手続きを経る必要があるなど種々の制約があり、家族信託の方がより柔軟に利用者のニーズに対応できるといわれています。
 ​他にも、②自分が亡くなった後に子供に財産を残したいけれども、子供の財産管理に不安があるといった場合に、自分が亡くなった後に、親戚等に財産管理を委ね、子供のために財産を使用してもらうといった場面も想定されます。 このように、家族信託は遺言の代用として使用することも可能であり、遺言よりも柔軟に利用者のニーズに対応することが可能です。
 ​上記はあくまで一例であり、家族信託には、他にも様々な場面での使用が想定されています。
 ​家族信託の利用を考えられている方は、一度弁護士に相談されることをお勧めいたします。

名古屋丸の内本部事務所弁護士 黒岩 将史

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