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 遺産を少しだけ受け取って話合いを終えたい場合,「代償金」を受け取るという方法があります。「代償金」。あまり耳慣れない言葉でしょうか。

 具体的な流れとしては,他の相続人に,自分の相続分を渡して「代償金」を受け取ること

になります。そして,このように,他の相続人に自分の相続分を渡す代わりとして,現金などを受け渡されることを,「代償」される,または,「代償」を受けるといいます。

 通常は,代償金は,法定相続分で計算するよりも低い金額で設定されますが,相続人どうしの話合いによって決めていくものですので,ある程度の交渉が必要になると考えられます。

 なお,話合いによって決めた「代償金」を受け取った場合,手続上,相続人ではないものとして取り扱われることになります。相続人でないということになれば,早期に代償金を受け取れるだけではなく,話合いからも離脱することができるわけです。

 特に,相続人が多いケースでは,全員が納得しなければ話合いを終えることができませんので,場合によっては代償金を用いて解決していくことが有益だと考えられます。

 さらに,新たなトラブルを避けるためには,代償金を受け取る際に,きちんと署名押印がなされた書面に残しておく必要があります。書面を残しておかないと,後日,遺産分割ができていないのではないかと指摘されるなどして,手続がうまく進まない原因となりかねません。

 どのような書面を作れば手続的に問題がないか,代償金をどれくらいの金額で設定したらよいかなどについてお困りの際は,ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。

小牧事務所 弁護士 小出麻緒

小牧事務所 弁護士 小出 麻緒

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