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解決事例

生命保険の保険金負担額につき特別受益該当性が争われた事例

ご相談内容

 相談者の母が亡くなり,夫と3人の子で遺産分割協議を行いましたが,話し合いで解決に至らず,弊所に相談に来られました。

 遺産の内容については争いがありませんでしたが,3人の子の一部が長年生命保険の保険料を支払ってもらっており,同保険料の支払いが特別受益として考慮されるかが主要な争点となりました。

解決事例

 ご依頼をいただいた後,速やかに遺産分割調停の申立を行いました。

 調停における話し合いでは解決を図れなかったため,審判手続に移行し,審判において長年の生命保険料の支払いに関し,保険料相当額について特別受益に該当するものと判断してもらい,当方の主張が認められました。

 保険契約の契約日や名義の変遷,支払金額については数十年という期間であり不明な点もあったため,裁判所を通じて保険会社に調査依頼し,保険会社から回答を受けて立証を行いました。

ポイント

 特別受益と寄与分は,法定相続分に基づく遺産分割を修正する事情となりますが,その立証には相応のハードルがあります。

 また,今回のように保険料の支払いという形での金銭的援助については,特別受益に該当するケースとそうでないケースが考えられ,その判断は難しい面があります。さらに,調停という話し合いの場ではなかなか解決を図りにくい分野でもあります。

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