解決事例
自分の死後,内縁配偶者の生活のために遺言を作成した事案
- ご相談内容
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Xさんは,妻には10数年前に先立たれてから,内縁の妻に日常生活の面倒を見てもらっています。しかし,事情があって籍を入れることはできません。
そこで,自分の死後,内縁の妻が生活に困らないよう,自分の遺産の一部が内縁の妻の手元に残るようにしたいとのことで相談にいらっしゃいました。
- 解決事例
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内縁の妻に遺産を残すため,遺産の一部を内縁の妻に遺産を遺贈するという内容の公正証書遺言を作成しました。
特に,内縁の妻がXさんの生前と同じ家に住み続けることができるように,手当を講じました。
- ポイント
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民法上,相続人になりうる者は法定されており,それ以外の者は相続人になることはできず,遺言によって財産を遺贈するのでなければ,相続財産を取得することができません。
仮に,他に相続人がいない場合であれば,特別縁故者に対する相続財産の分与の申立という方法がありますが,これは時間のかかる手続ですし,これが認められても,必ずしも全額を内縁配偶者が取得できるとは限りません。
本件のような場合には,特に遺言を作成しておくことが重要であり,遺言を作ったことで,Xさんの内縁配偶者の方も,Xさんが亡くなった後の生活に不安を感じることなく送ることができました。