解決事例
被相続人の死亡後2年経った後に相続放棄が認められた事例
- ご相談内容
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Xさんの父親は,会社を経営していたのですが,2年ほど前に亡くなりました。Xさんは,被相続人には財産も借金もないと思い込んでいたのですが,最近になって,母親から被相続人の借金について打ち明けられました。
Xさんの母親は,借金も相続されることを知らず,Xさんに心配をかけないように,被相続人の借金を内緒にしていたとのことでした。
そこで,Xさんは,今からでも相続放棄をすることができないかと,相談にいらっしゃいました。
- 解決事例
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本件では,Xさんの父親にはプラスの財産もなかったことから,相続放棄の申述をすることにしました。
そのために,相談者が相続財産(借金含む)の存在を知らなかったことを裁判所に説明しました。
具体的には,本人や兄弟,借金を内緒にしていた母親に,父親の生前の生活状況や,母親が借金を内緒にしていた動機等を陳述書として出してもらいました。
これにより,相続放棄の申述が受理され,債務を相続する事態を防ぐことができました。
- ポイント
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民法により,相続放棄の申述は,原則として自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内にしなければならないと定められています。「相続の開始があったことを知ったとき」とは,被相続人の死亡及び相続するべき財産の存在を知ったときをいいます。
本件では,父親が亡くなってから,既に2年が経過していました。そこで,被相続人の死亡は知っていたが,財産の存在を知らなかったことを説明し,相続放棄が認められました。
相続放棄が認められるためには,きちんと裁判所に説明をする必要があります。そして,裁判所を説得するための方法については,弁護士にご相談いただくことをおすすめします。